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「…すまないが、部屋に入ってもいいかな?
ここで話すのは都合が悪いと思うんだ…。あぁ…もちろん部屋は汚さないし
変なこともしない。もし嫌ならこのことは忘れてもらっても構わない。
ただ君の話し相手になりたいんだ。」
ペラペラと話している姿に驚いてしまっていたが、話し相手がおらず少し寂しかったのでむしろ好都合だった。
「…うん。私も君と話したい。部屋に入ってもいいよ。」
私は猫を招き入れた。猫はいた木の枝から窓のふちに静かに飛び乗った。
その猫はきれいな黒猫で、キラキラとした金色の瞳が印象的だった。
「ありがとう。…この机に乗って話をしてもいいかな?」
ちゃんと許可を取ってから行動している。紳士的な猫だ…。
(…ちょっと試してみよう…。)
「いいよ。じゃあ私は椅子に座…いや…ベッドでもいいかな?
すぐに寝たいから。いいかな?」
「うん。全然大丈夫だよ。眠たくなったらすぐに言ってね。
君が寝不足になるのは心苦しいからね。」
(…紳士ッッ)
思わず天を仰ぎそうになった。
(今まであった人の中でもすごい紳士…あ、猫か…)
「あ…そうだ。君の名前はなんて言うの?」
「うーん…。じゃあイダって呼んでくれ。」
「あ、分かった。よろしくね、イダ」
「あぁ。よろしくな!」
そして、イダとは夜が明けるまで…とはいかなかったけれど、私が眠くなるまで一緒に話した。イダと話した印象は…紳士的な頼りになる兄貴!!!!
この時から、イダと話す時間がとても楽しみになった。
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