3 取引と親交

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「…すまないが、部屋に入ってもいいかな?  ここで話すのは都合が悪いと思うんだ…。あぁ…もちろん部屋は汚さないし  変なこともしない。もし嫌ならこのことは忘れてもらっても構わない。  ただ君の話し相手になりたいんだ。」 ペラペラと話している姿に驚いてしまっていたが、話し相手がおらず少し寂しかったのでむしろ好都合だった。 「…うん。私も君と話したい。部屋に入ってもいいよ。」 私は猫を招き入れた。猫はいた木の枝から窓のふちに静かに飛び乗った。 その猫はきれいな黒猫で、キラキラとした金色の瞳が印象的だった。 「ありがとう。…この机に乗って話をしてもいいかな?」 ちゃんと許可を取ってから行動している。紳士的な猫だ…。 (…ちょっと試してみよう…。) 「いいよ。じゃあ私は椅子に座…いや…ベッドでもいいかな?  すぐに寝たいから。いいかな?」 「うん。全然大丈夫だよ。眠たくなったらすぐに言ってね。  君が寝不足になるのは心苦しいからね。」 (…紳士ッッ) 思わず天を仰ぎそうになった。 (今まであった人の中でもすごい紳士…あ、猫か…) 「あ…そうだ。君の名前はなんて言うの?」 「うーん…。じゃあイダって呼んでくれ。」 「あ、分かった。よろしくね、イダ」 「あぁ。よろしくな!」 そして、イダとは夜が明けるまで…とはいかなかったけれど、私が眠くなるまで一緒に話した。イダと話した印象は…紳士的な頼りになる兄貴!!!! この時から、イダと話す時間がとても楽しみになった。
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