4 散歩

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4 散歩

次の朝、今までにないほど気持ちよく眠れた。 イダがいてくれたおかげだろうか。イダはもういないけれど。 今回はあの少年の夢を見ず、近所の子と遊んでいる夢だった。 (そういえば…) その近所の子は今はもう高校生になった。一歳年下で保育園くらいから仲良くしてくれていた。「まーちゃん」、「しーちゃん」と呼び合っていて、とても可愛くて大好きな親友だ。何故か私たちのファンクラブが存在すると聞いたことがある。しーちゃんと仲良くしている姿がいいんだそうだ。まぁ、正確には私としーちゃんとしーちゃんの執事の3人組なんだそうだ。知らなかったけど。 (…しーちゃん…元気かな…。) 今頃何しているのだろう。 外を見ると夜が明けた少し後だった。いつもより遅く起きてしまったらしい。 (…散歩してこようかな…) だが、こんな時間にマリーナを起こしてわざわざ散歩に付き合わせる訳にはいかないし…。1人で行くべきだろう。この時間に人に会えるのか少し気になったことだし。正直1人くらいは会いたいものだ。たくさんは困るが。 「よしっ。」 扉を開けて廊下を出て行く方が安全なのだろうが。早く外に出たいので… (窓から飛び降りて行こう。) 昨日イダから教わった風の魔法で落下の衝撃や脚力の強化を調節する。 イダいわく、私はイメージすれば魔法が使えるらしい。魔力量も十分にある。 ステータスというのを見て分かった。ただ、イダは魔力量も属性の数もステータスが見れることも秘密にしていたほうがいいと言っていた。 (…秘密にすること多いな…。) 窓を開け、ふちに乗った。そして飛び降りる。 「…そこまで高くないな…。」 思ったよりも高くなかった。このくらいなら…と思ったが、一応魔法で衝撃を吸収した。音がほとんど出なかった。やはり魔法は便利だ。 そして、あたりを見回しながら歩き出した。
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