第六十二話 「падать(落下)」

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第六十二話 「падать(落下)」

dd51c1d6-e26b-4c1a-a746-5368d102e2fd"ガタンッ" 「----------!」 「な、何だ」 "ガチッ" 「と、止まったぞ・・・?」 突然、隆和達を乗せたバンがドーム内で停まると、 三人の体に振動の様な僅かな揺れがくる "ウィィイイイイイイイイイイ...." 「な、何か、動いてません?」 「え、エレベーターか?」 「そのようヨ・・・」 "ウィィイイイイイイィィィィ...." 明かりの殆ど無い、暗い 辺りの景色に目を向けると どうやら、今自分達が乗っているバンは 何か車を運搬する エレベーターの様な物の上に乗り、 そのせいで今、乗っているバンが 軽く揺れた様だ "ウィィイイイイイイイ・・・・" 「上・・・・」 「----下がってるのか?」 "ブゥゥゥウウウウウウウ..... 見通しの良くない、暗い視界の中で 徐々に上がっていく 周りのエレベーターの外壁を見ながら 何か、下へと落ちて行く様な感覚を感じ バンの窓越しに上空を覗き見ると、 そこには先程まで自分達が通っていた パイプ管が張り巡らされた ドーム内の景色が広がっているのが見える... 「・・・・何か、地下にある施設って事なのか?」 「ツベフォフさんはここで  仕事してるって事なんスかね...?」 「Если вы пойдете на  Поляни Медведь и  приблизитесь к тьме,  то потом точно  пожалеете... (ポリヤーニ・メドヴェッドを  見かけたからと言って無暗に近づくと、  必ず後で後悔する事になるぞ・・・)」 "ウィィイイイイイイイイィィィイ..." 「(・・・・)」 「Цветут, цветут,  красивые цветы...  зацвела------... (咲いた、咲いた、きれいな花が------...)」 「・・・・」 「何言ってるんですかね」 「・・・・」 "ウイイイイイイイイィィィィィ...." 「С этого момента я не  взрослый ♪  Не ребенок ♬  Если вы не взрослый ♫  Не ребенок --------… (...ここから先は、大人じゃない------...♪  子供じゃない... ♬  大人じゃないなら ♫  子供じゃない--------...)」 「・・・・」 「??...」 「・・・...」 「Если ты не ребенок ♪  я не могу быть завтра  Если ты не можешь  быть завтра  Это не завтра--------♪.... (子供じゃないなら ♪  明日(あす)なれない  明日なれないなら  明日(あした)じゃない--------♪...)」 「(・・・・)」 "ウイイイイイイイイィィィィィ...." 「つ、ツベフォフつぁん?」 「・・・」 「(やべえな--------)」 林が、後ろから何か歌声の様な 気味の悪い声を出している ツベフォフに話し掛けるが、 自分の声に気を取られているのか、 ツベフォフはただ、徐々に下がっていくバンの フロントガラスを、じっと見つめている 「Если ты не можешь  быть завтра ♪  Не ребенок ♫  Если ты не ребенок,  мечты----...  Не смотри----.... (明日なれないなら ♪  子供じゃない ♫  子供じゃないなら、  夢--------...  見れない--------....)」 「(・・・・!)」 "ウイイイイイイイイイィィィィ" ツベフォフが歌う、奇妙な童謡の様な 歌声を聞きながら 「(何だ・・・)」 四人を乗せたバンは、ドーム内を 下へ、下へと降りて行く.... 「Если ты не можешь  мечтать  Не взрослый ♩  Если ты мечтаешь  завтра  Не "малыш" -------- .... (夢見れないなら  大人じゃない ♩  明日夢見るから、  "子供"じゃない--------....)」
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