0人が本棚に入れています
本棚に追加
誰だい? 僕のことをかわいい猫ちゃんだなんて言ったのは。
夢の中で僕はチーターになるのさ。
小さな頭に長い手足。キュッとくびれたお腹、しなやかな筋肉。
それからイカした水玉模様!
ブッシュの陰から飛び出して、時速100キロでインパラやガゼルを追いかけ回すんだ。
僕はチーター、大草原のハンターさ。
パパが振り回してくれる、カシャカシャ音がなるおもちゃ? 馬鹿馬鹿しい!
ママがお皿に入れてくれる、チキン味のカリカリ? 却下!
カナチャンが毎日取り替えてくれる、かわいいリボンの首輪? とんでもない!
あっ、カナチャンが草原の真ん中でおいでおいでして笑ってる。
大好きなカナチャン。
でも油断は禁物、今日の僕はワイルドなチーター、危険な男さ。
僕はカナチャンに飛びかかって
その柔らかいのどぶえを噛み切って
倒れたところにのしかかり
ちっぽけなお腹を食いちぎり
はらわたを引きずり出して
食ってやるのさ!
ニャオー! アオーン!
「ママ、ちー太がねんねしながらニャーンって言ったよ」
「あらあら、きっと楽しい夢を見ているのね」
「かわいいね」
最初のコメントを投稿しよう!