第陸拾陸話 身勝手な誓い

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ユウはふと幼い頃に祖母が自分に言った言葉を思い出した。 あの時、自分が一回死んだ時に見た記憶の中でユウの祖母は、この人の心の奥が見え、屍神たちの助けを求める声を知ることができる眼は父親からの授かり物だと言っていた。 そして、おそらくは母親がくれたであろうでユウは甦り、今こうして愛する友や、逢いたいと焦がれていた者の傍にいることができている。 (私のお父さんとお母さんって、どんな人達だったんだろう・・・) ユウは自分に生と力を与え、間もなく命果てたに密かに思いを馳せるのだった。
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