切ない夜明け

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遠去かるあなたの足音を聞くたび、わたしは寂しい気持ちになる。それはいつも夜明け頃に訪れるのであった。あんなに暖かく燃えていた部屋の空気が急に冷たくなって、この恋の切なさとやがて来る終わりを確実にわたしに伝える。天使の囀りのようなやさしくて残酷な鵲の鳴き声は、いつまでも空っぽになったわたしの胸の奥に響いているのであった。
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