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十四の頃
遠足で同じ班になった時、優輝がふざけて、凱の足を枕にして寝転んできた。
昼食後の自由時間だったから、そんな格好でしばらく凱も寝ころんで空を見上げていた。
「大人になったら何になるつもり!?」
優輝の質問に、一体なんて答えたのか。他愛もない甘っちょろいことを口にしたはずだ。それを優輝は真に受けて、
「絶対凱はなれるよ!」
と言ってくれたのだった。
陽射しが暖かく、思春期の真っただ中にいたから、というわけではないだろうけど、展望台から少し外れた草むらの奥の石のベンチに寄り添っていた。
何の屈託も魂胆もなかったのだけど、ちょっとした悪戯心が、凱の手を優輝の身体に伸ばさせたのだった。
体操着を捲ってやると、優輝は薄目を開けた。
「なんだよ」
と唇は動いたが、何も抵抗はしなかった。
スーッと体操着の上を擦り上げた。
上半身の素肌が晒された。
ジッと見つめていると、クスクスと優輝が笑いだし、凱はそっと臍の周りに右手の指先が触れるか触れないか、ちょっと触れている・・・くらいに撫ぜてみた。
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