(2)おるすばん

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 そっと壁から離れ、オモチャ箱の中からエリーを出して抱えました。  エリーにも、本物の犬を見せてあげたいと思ったからです。  やっとドアの前に立ちましたが、マリアの胸は、わくわくからドキドキに変わっていました。  マリアは、このドアのノブに手を触れたことすらありません。  パパやママのしぐさを思い出して、緊張しながら金属のノブを握ります。  ゆっくりと手前に引くと、ドアはすんなりと開きました。  あまりにも簡単に開いたので、マリアはびっくりした後、首を傾げました。
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