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〜警視庁刑事課〜
10:00過ぎ。
1人の女性が、気持ち控えめに入って来た。
ミニスカハイヒールの美女に、男性陣のみならず、全員の目が引き寄せられる。
「おはよう…ございます」
無言で課長の富士本が手招きする。
知った顔を見て、急に胸を張る彼女。
コツコツとヒールを響かせて向かう。
(やれやれ…相変わらずか)
「おい、皆んな聞いてくれ」
言われる前から、珍しく聞いている皆んな。
「今日から配属になった、鳳来咲さんだ。大阪の裁判所で、検察を潰した例の元弁護士だ。よろしく頼む」
「潰したなんて人聞きの悪い💦、まさか本当に本庁の刑事課長とはね〜驚いたわ。みなさん、咲って読んでくれていいから、よろしく❗️」
容姿と威圧感に、圧される皆んな。
その時、刑事課の外線が鳴った。
秒でとる咲。
「はい警視庁刑事課、場所と概要を!」
即座にスピーカーフォンに切り替える。
「文京区の国立名桜女子高等学校で、卒業式中に女子生徒が1名死亡。天井から落下した照明が直撃した模様」
「それって事故じゃないの?神田署の管轄でしょ?」
既に都内の各所轄を把握していた。
「政府の要請により、本庁の出動をお願いします。被害者は坂上総理の娘、坂上紫乃譜18歳です」
「おっと、そう来たか。了解、直ぐに向かいます」
電話を切る咲。
(ん?)
「…で良かったわよね?富士本さん」
「上出来だよ。ほら、皆んな急げ❗️。咲、君は私と一緒に」
「ただの事故にVIP対応ね、まぁ…いいけど。行きましょ!運転はあたしが…」
「だ〜め〜だ❗️近頃は酒の匂いの香水でもあるのか?全く」
「バレたか…💧」
この時、誰もこの事故の先にあるものを、知るはずはなかった。
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