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〜国立名桜女子高等学校〜
報道陣と警察関係者で、ごった返す現場。
渡米中の総理は国務のため、帰国できず、気絶した被害者の母親は、病院へ搬送されていた。
「せっかくの卒業式で、かわいそうに」
「全くだな。式は各教室で続けたらしいが…」
ブルーシートの中へ入る2人。
鑑識班が現場検証を続けている。
「酷いわね。あんなに大きな照明が、簡単に落ちるものかな?」
坂上紫乃譜の体は、原形を留めず、上を向いた顔だけが、恐怖に満ちた表情を残していた。
「怖っ💦あんな顔見たことないわ」
その声に検視官が応える。
「照明は、害者の肩からぶつかっている。この表情は、潰された後のものだ」
「即死じゃないの?」
「脳をやられなきゃ、そんなに直ぐには死なないもんだ。よほど恐ろしいものでも見たんだろうな」
「豊川…さんね。今日から警視庁刑事課へ来た、鳳来咲です。よろしくね」
「おいおい、よろしくない方がいいんだぜ」
(確かに!)
「咲、関係者に話を聞くぞ」
富士本に呼ばれて、上で調査している検査官と、現場をもう一度見てから向かう咲。
その挙動を見ていた豊川。
「いい勘してやがる。咲さんか…」
ニヤリと背中を見送る豊川であった。
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