【1】The beginning

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〜国立名桜女子高等学校〜 報道陣と警察関係者で、ごった返す現場。 渡米中の総理は国務のため、帰国できず、気絶した被害者の母親は、病院へ搬送されていた。 「せっかくの卒業式で、かわいそうに」 「全くだな。式は各教室で続けたらしいが…」 ブルーシートの中へ入る2人。 鑑識班が現場検証を続けている。 「酷いわね。あんなに大きな照明が、簡単に落ちるものかな?」 坂上紫乃譜(さかがみしのぶ)の体は、原形を留めず、上を向いた顔だけが、恐怖に満ちた表情を残していた。 「怖っ💦あんな顔見たことないわ」 その声に検視官が応える。 「照明は、害者の肩からぶつかっている。この表情は、潰された後のものだ」 「即死じゃないの?」 「脳をやられなきゃ、そんなに直ぐには死なないもんだ。よほど恐ろしいものでも見たんだろうな」 「豊川…さんね。今日から警視庁刑事課へ来た、鳳来咲です。よろしくね」 「おいおい、よろしくない方がいいんだぜ」 (確かに!) 「咲、関係者に話を聞くぞ」 富士本に呼ばれて、上で調査している検査官と、現場をもう一度見てから向かう咲。 その挙動を見ていた豊川。 「いい勘してやがる。咲さんか…」 ニヤリと背中を見送る豊川であった。
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