チューブ式幸福論

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チューブに入った調味料を買った。 200円しないぐらいの値段だった。 私はそれを小指ぐらい使って唐揚げを作った。少しだけ焦げてしまった。でも美味しかった チューブ式幸福論 指で押して出る幸せは小指ぐらいがよい 謝っても 謝っても入ってくる酸素 ごめんなさい 雑草 地球 銀河系 記された夏の終わりごと 飲み干せ 砂糖は欠けてるぞ 天然水 頭の中 誰も知らないからって どおくふみあきらって記して 《×》‪ばってん こんこんと降る雪の中 おしまいを恨んだ王子様は不在中 精嚢まで作用する正論なら手を裏がえして バイバイ 思ったより人生は楽しい 脳が二つ欲しい 嬉しい事だけアルバムみたいに閉じ込めておけるような コンコース1の寂しんぼ 六つ並んだ椅子は 沈みかけの陽で気を紛らす 手を触れる 時には甘えた言葉を控えよ 毛布の下 子の福音響けども 骨髄には 日本晴れを 脳内会議にも ぬるき日本茶を チューブの残りは野菜炒めに混ぜた。 ちょっと辛いけど美味しかった。 何かに似てると思ったら母親の作る野菜炒めもそう言えばこんな味だった。 私は小さく笑ってみることにする おわり
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