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鬱蒼とした森の中。道なき道を進んでいくと突如として石を積み上げて作られた階段が現れた。
見上げた先には屋敷の入り口と思われる大きな門があり、着物を着た一人の少女が立っていた。
額に汗を光らせて息が上がっていた雪十だったが最後の石段を一気に登って行く。
はぁっ、と溜息を吐くとこの一か月、吸いまくっていた煙草のことを少しだけ後悔した。
「お待ちしておりました。雪十様」
明らかに普通の少女ではないそれが深々と礼をすると敷居をまたいで奥へと手をかざした。
どうぞ、と示す少女に雪十はゴクリと唾をのむと中へと入って行った。
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