3 侵入犯、検挙

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 当直明けの朝、刑事課の部屋を掃除していると、若い捜査員からポツポツと出勤してきた。その中には多聞班長もいる。混む電車が嫌いだそうで、いつもラッシュの前に出勤してくる。業務が始まる前は緊張感はなく、部屋では冗談話が聞こえる。 「おはようございます」 「おう。当直()で聞いたけど、あの犯人(ネコ)検挙されたんだって?」 「そうなんです、外川主任がひょっとしたら駄菓子屋さんの件も彼の仕業かもしれないって」 「ガトーがそんな事言ってたか」  班長は元部下の主任を捉えてうんうんとうなづいている。弟子の着眼点に感心しているようだ。 「確たる証拠があったらいいんですけどね」  班長はそこの言葉を聞いて指をパチンと鳴らした。 「そうだ、冗談半分で取った足跡あったろ、アレと合わせたら分かるんじゃないかな。」  班長はにやけながら前回の臨場で参考程度に採ってきた猫の足跡をケージの猫とそれに合わせてみた。すると…… 「今の時代あまり野良猫いないから、おそらくコイツだな」  私も思わずにやけてしまった。  採取シートに乗せた彼の足跡、ほぼピッタリと一致していた。    🐾 🐾 🐾
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