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家に帰るなり、長谷川はリビングのカーテンを開け照明を消す。くるみの手を引きソファーに座ると、長谷川はキスをして言った。
「くるみ、今日はここで抱いていい? クリスマス・イブにピッタリの、夜景を見ながらさ…」
「うん…」
煌びやかに光る街の夜景を見ながら、くるみと長谷川はソファーで愛し合う。マンションの20階、窓の外には建物はなく、ただ下に夜景が広がっているだけ。2人が抱き合っているのを誰かに見られる心配などない。
くるみを上に乗せ深く繋がって、キスをする長谷川が吐息まじりに囁く。
「夜景を背景にくるみっ……はぁっ……綺麗だっ…」
長谷川がぎゅっとくるみを抱き締め、奥深くで達する。体に走る快感の衝撃でくるみも達し、長谷川にもたれかかった。
「大丈夫? くるみ…」
「うんっ…」
「幸せなクリスマスになったな。これからもずっと一緒に過ごそうな」
「うんっ」
2人はキスをして抱き締め合った。
唯一の長期休暇。年末年始の休暇に入る前に、くるみ達は店頭や社員ロッカー、休憩室の大掃除を行い、店を1時間早く閉め、忘年会で盛り上がる。気兼ねなく酒が飲めるように、朝はくるみと一緒に長谷川も電車通勤で仕事に向かった。
所長やマネージャーは奥の席で2人で飲んでいる。くるみや長谷川、他の社員達は少し離れて座り、終始くるみと長谷川を並べて座らせ、あれこれ質問攻めにした。
長谷川が皆に上手く話をしてくれて、すっかり職場では公認の仲になりお祝いムード。くるみも長谷川も取り繕う事がなくなり、本来の自分達を見せられるようになった事で社員達の雰囲気は明るくなっていた。
その夜、ベッドの上でコーヒーを飲みながら、職場の話をする。
「皆、私達の交際を喜んでくれてよかった」
「そうだな」
「あんなふうに喜んでくれて、祝福されると……辞める時つらくなりそう…」
「あぁ……確かにな。2人同時だとちょっときついかもな」
「いつ家の事、話す?」
「そうだな。この年末年始に帰省して親に挨拶をして、お互いの家の事を知った事にしよう。その時、皆に両家の家の話も出来る」
「うん。驚くかな……皆…」
「たぶんな…。でも、上手く話すよ」
「うん…」
そうして年末年始の休暇に入った。12月27日から1月5日までの休暇になる。27日に帰省し、和香が言っていたように初詣と子宝の参拝をして、帰りに松浦家に寄って帰って来る予定。三が日の3日には、マンションに帰って来る予定を立てていた。
翌日、12月27日の朝。くるみと長谷川は少しの着替えと服をキャリーバッグに詰め、車で長谷川家へ向かった。
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