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確かにすみれの言う通り、いつも通りで何もおかしな態度ではなかった。
ただ、俺の期待する態度じゃなかっただけだ。
「スカーフで隠すことないだろ」
俺が昨日付けたはずの跡がスカーフで隠されている。
俺の言葉にすみれは周りをキョロキョロと確認した後、俺の腕を掴んでフロアの隅に引っ張る。
「ちょっと会社でそんなこと言わないでよ」
「そんなことって?俺がお前の首にキスマークを付けたってこと?」
「ちょっとあんた正気なの!?」
すみれが怒ったような表情になる。
もっと怒ればいいんだと心の中で呟く。
「事実だろ。なんでいちいち隠すんだよ」
「ほんと、あんたイカレたの?隠すに決まってるでしょ。これはルール違反よ」
「ルールって何だよ。キスマークつけちゃいけないなんて決まりはないだろ」
「朝から絡んできて感じ悪いね。何が気に入らないのよ」
「何もかも気に入らないんだよ。お前のその態度もな」
思わず本音が漏れてしまい焦る。
「はぁ?マジうざいんだけど。何をイライラしてんのか知らないけど、私に当たるのやめてくれる」
そう言い残してすみれは行ってしまった。
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