認めたくない事実

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こんなに自分の想い通りにいかない女は初めてで扱いが分からない。 寝た次の日の朝にする態度とは思えない。 目配せどころか笑顔のひとつもなく、うざいと言い捨てていくなんて。 イライラした気持ちのままデスクに向かう。 「佐原くん、お手柄だったね」 そんな俺の気分と正反対の部長が俺に声を掛けてくる。 「チームのみんなが頑張ってくれたからです」 これは本音だった。 「このままチームを解体して、佐原くんには次の受注案件のマーケをしてもらおうと思う」 そう言いながら部長は企画書を俺に手渡してくる。 「解体ですか?営業はどうなりますか?」 すみれとのタッグが解消されるのかが心配だった。 「営業は飯島さんのままでいくよ。彼女を抜いてしまうと、この案件を把握している人がいなくなるからね」 おいおい、すみれとのタッグを解消するってことか。 急に焦りが俺の心を埋め尽くす。 「いや、俺も残った方がいいかと思います。客先からも信頼されてますし」 「受注案件だから、君の部下に任せなさい。佐原くんはとびきりのビッグ案件があるから」
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