認めたくない事実

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「どうもこうも、部長の思い付きだろ。俺も今朝聞いた」 「そうなの。あんたんとこの部長気まぐれだもんね。次の担当って2年目の子だよね。イケメンの」 俺が担当が変わったことについてあまりダメージを受けていないような、すみれの態度にイラつく。 しかも俺のことよりも次の担当のことを気にしてるのが更に俺のイライラへ拍車をかける。 「あぁ、栗林のことか?そんなイケメンか?俺ほどじゃないけど、仕事はできるけどな」 「やっぱ、あの子のことか。去年入社してきたとき、結構話題になったの知らないの?マーケはイケメンばっかり集まるって」 すみれのイケメンばっかりっていう言葉に引っ掛かる。 その中に俺も含まれているのだろうか。 「そんなにイケメンばっかりいるか?」 「うちのアシスタントの子達はみんな今井さんが羨ましいって言ってるわよ。営業なんかよりマーケが良かったって」 そんなことを聞きたいんじゃなくて、すみれにとって俺もイケメンの部類に入るのかが聞きたいのに、どう聞けば答えてくれるだろうか。 「確かに、部長も昔はイケメンだって自分で言ってたもんな」
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