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水を得た魚の様に、彩花は前のめりで話し始める。
「昨日ー、幼稚園に差出人不明の手紙が届いたんですよぉ。園児たちが帰った後、園長から話があったんですけどー。」
そこで、さくらちゃんが怒鳴る様に彩花の話を遮ぎる。
「あーちゃん!あんたはね、余計なこと言うんじゃないの!ここは職場じゃないんだからね。楽しく呑んでなさい!」
はぁーい、とシュンとした振りをする彩花。
彩花の話は気にはなったが、俺たちは気を取り直し、プライベートな話で盛り上がった。
ひろ先生はかなり動揺している様子に見える。
保育士さんは出会いの場がないから、合コンやらお見合いパーティ的な場所によく行くと、大学病院時代に看護師が言っていたけど‥
ひろ先生は場慣れしていない雰囲気だ。
27ならそれなりに男性経験はあるだろうが‥‥
もしかしたら、あまり経験ないのか?
女性陣の中では一番歳上ではあるが、何だか怯えている様な‥‥なんだろう。
そんなひろ先生の隣で、空気を読めない彩花は「産婦人科のお医者さんってー、プライベートではどうなんですかぁ⁉︎」と武士に聞いている。
武士は悪戯に笑みを浮かべながら「どうって?」と彩花を煽る。
「ほらぁ‥‥よく言うじゃないですかぁ。産婦人科のお医者様はー女性の身体を見過ぎているからー。プライベートでは、うーん、なんていうかぁ‥‥」
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