105人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、お前はなんであの子に拘るわけ?」
土曜の夜、遊ぶ女が見つからない日は決まって俺の家にやって来る。
俺のベッドにゴロンと横になりながら圭介が問う。
「おいー、、ベッドはやめろって言ってんだろー。」
俺は少々潔癖症だ。
「悪い悪い。」
悪びれた素振りのない圭介。
いつものことだ。
「あの子、あの保育士さん?特別可愛いってわけでもないじゃん。てか、ブスじゃね?」
「女性は顔じゃねーよ。」
「あ、じゃあ加寿美もあの子の顔は不細工だと思ってんだ。」
圭介は笑っている。
圭介は美人でスタイルのいい女性とばかり付き合っているが、大抵半年続けばいい方だ。
「圭介も美人は飽きたってこの前言ってたよな。」
「まぁね。美人はさー面倒臭いんだよ、色々。
あ、でも、だからってあの子みたいなブスは勘弁だ
けどな。」
「‥‥ブスブス言うなよ。」
確かに、あの【ひろ先生】はお世辞にも可愛いとは言い難い。
でも不細工かといったら、決してそんなことはない。
園児たちに向けるあの笑顔は、俺にとっては天使にしか見えないのだ。
「まぁ。圭介にはまじで感謝してる。」
圭介は満更でもない顔をして、
「親友の頼みだからな。」と言った。
最初のコメントを投稿しよう!