5人が本棚に入れています
本棚に追加
期待はずれ
死んだら流れるエンドロールが楽しみだった
地上から離れ、座らされた椅子には
雲の欠片が少し付いてて
雲にうつ伏せたままこちらを見やる
天使
「みんなそういう顔をするよ」
つまらなさそうに天使は言った
誰かが言っていた
死んだらエンドロールが流れると
それをなぜだか信じていた
「君の手で生きてきた、助けを求めたのも」
「……そう、させたのも、全て君だ」
つまらなさそうにしたままの天使は重ねる
「演者も、演出も監督だって君だから」
「それならばあとがきのほうが妥当だろう?」
「それに」
「僕は映画より本が好きなんだ」
笑う天使の奥でかみさまがページをめくった
生きている間、僕はエンドロールを最後まで観る人間だった
あとがきもそう
「いいね、書いてみたかったんだ、これ」
最初のコメントを投稿しよう!