空白として

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空白として

もうどうにも死にたくて それでいて自分をどうにかする気力もないまま 目を閉じていて気づいたけれど 自分の棺桶の蓋は自分で閉められないんだね もし誰かをそこに遺すとき その人が閉めてくれるその蓋を たぶん蓋以外にも遺してしまうものたちを 無視したまま逝けるのかなとか 考えてみたりして 眠る私を愛おしいと言う貴方が 泣きながら蓋を閉めているのに 私は勝手を貫くのかなとか 考えたけれど死にたくて 生まれてきたことがあんまり、よくなかったな あんまりにも
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