花となること

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花となること

「梅雨がくるよ」 天使が3回まわって、肩に座った そうか、もうそんな季節なんだね 「そろそろいいんじゃない?」 対になる天使がぼくを撫でた うん、でもなあ、みんな怒るだろうな 雨ばかり振らせて 湿度もすごいんだって 憂鬱になるひとも増えるって 教えてくれた人がいたんだ ぼくに願う人がいるんだ 「じかんだよ」 時を見て泣くぼくの まわりを飛んで照らす天使たち わんわん泣く かみさまってこんなもんだよ こんなもん 咲く、傘の紫陽花 身勝手でごめんね 今年は少し透明が多い傘の紫陽花 泣き止めないまま、この季節には名前がつく 〜雑踏〜 通行人C「梅雨だねぇ。かみさまでも泣いてんのかな」
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