期待はずれ

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期待はずれ

死んだら流れるエンドロールが楽しみだった 地上から離れ、座らされた椅子には 雲の欠片が少し付いてて 雲にうつ伏せたままこちらを見やる 天使 「みんなそういう顔をするよ」 つまらなさそうに天使は言った 誰かが言っていた 死んだらエンドロールが流れると それをなぜだか信じていた 「君の手で生きてきた、助けを求めたのも」 「……そう、させたのも、全て君だ」 つまらなさそうにしたままの天使は重ねる 「演者も、演出も監督だって君だから」 「それならばあとがきのほうが妥当だろう?」 「それに」 「僕は映画より本が好きなんだ」 笑う天使の奥でかみさまがページをめくった 生きている間、僕はエンドロールを最後まで観る人間だった あとがきもそう 「いいね、書いてみたかったんだ、これ」
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