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スカート
内腿を伝う赤い血が汚らしいと言われたので
綺麗に拭ってポケットにしまいました
本当はアンドロメダも小マゼランも
中には潜んでいたというのに
汚らわしいからといってポケットに捨てました
スカートの中の宇宙は
窒息する（当たり前のことですが）ので
自分――自分の意思でという意味で――にしか
どうこうすることはできないのです
例えば知らない人間が手を差し込んできた時
それは異空間へと飛ばされ
手はちぎれ、血飛沫が舞い、死ぬ
ので
他人の宇宙は勝手に見るものではないのです
では、自分の宇宙はというと
それがまた、難しい問題であったりします
上手く覗けない宇宙の中は
酷くつまらないのです酷くつまらないのです
手を差し込んでみたとして
自慰行為に成り下がることを
私は別に悪しとしません（こんな言い草ですが）
しかし、宇宙を見るのと
または、宇宙になってしまうのとでは
全く違いますから
（自慰行為の果てには宇宙がありますが）
（その宇宙からは帰って来れます）
（私の目指す宇宙というのは）
（到底帰って来れないものなのです）
あの日祖母に嫌われた赤い血は
今も私のポケットの中に隠してあります
拭いとった、
私のアンドロメダは真っ赤に染まり
私の小マゼランも血潮に染まる
どの星一つ取ったって、赤
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