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ああ、そうだ。
あいつはそういうヤツだった。
あたしがなにかやらなきゃいけないこと、集中しなきゃいけないことがあると。
それを察してか、餌の要求も、遊んでくれのわがままも、じっと我慢して控えめにしてた。
そっかあ。
まだあたしにはこの世に集中してろってことで、戻してくれたのかな。
あの世で、まだ我慢して待っててくれる、って。
そうだね。
あいつには、いつでも会いに行けるから……。
ってあたしゃ某有名アニメの白い悪魔か。(世代)
なんてね。
あたしにはまだ、あいつとの別れを、こんなふうに茶化す以外の余裕がない。
でも、ありがとな、色々。
そう思いながら、あいつがお土産代わりに持たせてくれた(かもしれない)おもちゃを、痛む身体を押さえながら、あたしはゆっくり拾った。
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