しっぽの救いはあてにならない?

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 ばいーん。  そんな音がしそうな感触が、お尻の下にあった。  あたしの身体はなにか柔らかいものの上に一度落ちて、今度は反動で跳ね上がった。  なに、なに、なにが起きてる?  まるでトランポリンだった。  落ちては跳ね、落ちては跳ね、を繰り返す。  それに翻弄されながら、なんとか状況を把握しようとした。  まず、尻の下の柔らかい物はなんだ。  落ちた時に思い切って手を下にやって、触れてみた。  柔らかい。と同時に、こそばゆい。  次のチャンスでは、それをむしり取ってみる。  細い毛の塊。  あああ。  思い出したわ。これ。  猫の抜け毛ボールですわ。  ブラッシングをすると大量に出る抜け毛を、手のひらで丸めて固めてボールをよく作った。  ブラッシングが終わったらそれを放り投げると、喜んで追いかけて行ってひとしきり遊んでたもんだ。  それの感触だ。低反発枕もかくや、というほどの程良い弾力。
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