しっぽの救いはあてにならない?

6/8
前へ
/8ページ
次へ
 そのうち、周りでちっちゃいなにかが一緒に跳ね始めた。  ちりんちりん。  小さな鈴の音があちこちからする。  気がつくとあたしと一緒に、何個も跳ねていた。  ああ、ねずみのおもちゃだ。  5cmほどの大きさで、ねずみを形どったものにウサギの毛を貼りつけてあり、なかに小さな鈴が入っている。  これも投げると喜んで追いかけていくおもちゃだった。  ただ、どこかの隙間に入れちゃうみたいで、すぐになくす。多分家具をどけたら、山ほど出てくるんじゃないかな。  それが今、何個も、あたしと一緒に跳ねている。  ばいーん、ばいーん……。  ぶえっくしょい!  ちりんちりん。  色んな音が混じり合って、跳ねる高さはどんどん高くなって、怖くなってあたしは目をギュッと瞑った…………。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加