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2.
姪は私にとても懐いていた。
それもそのはず、勤めをしている義妹の代わりに保育園にお迎えに行き、夕食、お風呂まで世話することが度々あったからだ。
弟の家から車で10分ほどの場所に暮らしていた私のところへ預けるのは、行き来するのにさぞ都合が良かっただろう。
義妹は産後四か月足らずで勤めを始めた。せめて子供が小さいうちは、そばで見てやって欲しいという家族の希望には取り付く島もなく、仕事を決めてきたのも保育園に預け始めたのも事後報告だ。
理由は生活費のためだと言うが、弟も、父も母も、もちろん私も、それには納得がいかない。
代々から続く安定した家業の跡継ぎである弟に経済的な不都合は全く無い。
弟は給料口座をそっくりそのまま義妹に預けていて、自由にやりくりができるはず。生活費のため、義妹に働きに出てもらう必要など全くないのだ。
それでもなぜか義妹の言い分は変わらない。他に理由があるなら話してほしい、例えば、そういった仕事なりなんなりと、やりたいことがあるなら協力し合いたいと話会いを持ちかけても駄目だった。
ブランドものに身をくるみ、外車を乗り回しながら二言目には「仕事しなきゃ、お金がないんです」と、オウムのように繰り返すだけだった。
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