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 あの夜、消えるんだと言った君は確かに消えてしまった。  君のいない大学はずいぶん退屈だった。  誰も、君の行方を知らなかった。私も知らない。わからない。ただ、君は本当の君になるために消えたのだ。 「あの子と付き合ってたの?」  そんな言葉に顔を上げる。君と仲の良かった女の子が立っていた。  もう何度目かも分からない質問。君は男女問わず友人が多かったから、誰もが君の行方を知りたがった。君と私の関係も。  私は首を横に振った。私たちの関係はそんな言葉じゃ言い表せない。辞書を開いて、ネットの海を彷徨い、どれだけ日本語をかき集めても、私たちを形容する言葉はたぶん、どこにもない。ただ、たまに2人でどこかに行くだけ。そして、同じ秘密を持っているだけ。強いて言うならば、『初めてできた、仲間』。
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