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花の高二
「プラスチックな絞殺死体?」
「プラトニックな交際がしたい。だ」
僕の嘆きを奇跡的な言語に置き換える彼女は、高1からの同級生本田真弓だ。天然と言える天真爛漫さで、女子高という社会では生きずらい思いをしている種の子だ。
「年上の彼氏いたよね?」
「僕のメモリーから削除されましたとさ。もう、君と同じ恋愛禁止の世界で生きようかな」
僕は人付き合いってやつで表面を繕ったりしない。正直に言えば出来ない。お互いが飾った気持ちと言葉で過ごす時間に何の意味があるのかサッパリだ。社会人とかになれば必要だろうけど、期間限定の高校生活って狭い世界では必要と思えない。その後の友情の賞味期限が決まる大切な期間だっていうのに。
「ホントに! うちには友理奈みたいなボーイッシュな子が必要なんだよー。社長もいいって言ってるし助かるー」
「短髪に胸が無いからってボーイッシュとか言うな。てか本気にする以前に、何で社長の許可が出てんのっ」
社長とは各地にフレバーというアイドルグループを作っている物好きなオジサンだ。でもグループの活動は、海外のアイドルフェスにまで及び、国内外のファンを獲得していた。
聞く限りじゃワンマンに近い運営は、芸能事務所と地下アイドルみたいな関係よりも、親戚のオジサンに近かった。現にライブ終わりなどにメンバーの親とも一緒に食事をするくらいだ。
そう。今、目の前で黒い髪をなびかせて笑っている彼女は、アイドルグループ『TOKYOフレバー』のメンバー。現役アイドルのまゆみんなのだ。
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