友達のなくし方

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 楽しくなくて楽しかった頃を思い出す。 「学校、ぜんぜん面白いことないね」 「かっこいい彼氏とかできたら楽しいかも」 「なんか、もうかっこいい人イコール二股なイメージない?」  ゆうこりんが怪訝な顔つきで言う。 「それ、マヤの元カレだけでしょ?」 「ちょっと! もう、思い出したくないんですけど」 「あとカワシー」  頭の回転が良いゆうこりんが絶妙に会話を回してくれるから、この三人でいるといつまでもお喋りが止まらなかった。 「マジそれな!」  私たちは手をたたいて笑った。 「いいよ、もう、この3人でカラオケ行けたら」  恋バナになると必ずマヤの元カレのネタがお約束だった。 「んじゃ、どうする? 来週は?」  「おこずかい入るまで待っててよ」  すぐにでもカラオケに行きたかったけど、お母さんの給料日がまだ先だったこともあって先延ばしにしてもらったけれど、その時の私はちゃんとおこずかいがもらえると予想して話していた。   「じゃ七海待ちね」 「オッケー」 「オッケー」って返事したっきりになっていた。  そんなふうに毎日同じようなことグチって面白かったYouTubeの話でバカみたいに笑って、最後は絶対に恋バナになって盛り上がる。  どうせもう会えないなら、フラれるの覚悟で飯尾にこくっておけばよかったって後悔してる。  
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