友達のなくし方

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友達のなくし方

 クラスの真ん中で、意地悪なあの子が楽しそうに笑っている。    しかも、キラキラ輝いてさえいる――。  そう見えるのは真衣が誰よりもカワイイ子だからとか、勉強ができるからとか全然そんな理由じゃない。単純に私が真衣のことを『嫌い』って思っているから、変に意識しすぎて気になっちゃって、つい目の端っこで追ってしまっているからなんだと思う。  自分が楽しくない状況におかれているから尚更かもしれない。  真衣のことをそんなふう思っている私には、友達すらいない。  なぜって、クラスも部活も同じだった親友のゆうこりんとマヤがもういないから……。  正しくは、私がいなくなった立場の人間だから、いないと思われているのはむしろ私の方なのかもしれない。
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