悪女

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ふん、所詮、美依さんもハッタリだな! エースがいなきゃ、ナンバーにすら入れない女っつーことだよ よっちゃんのお陰で価格高騰してただけ 私は例え、よっちゃんを失ってもナンバーを維持する自信がある 私にはズバ抜けたエースがいない どちらかというと、みんな毎日は来てくれないが、決まった週には必ず来てくれる 小金持ちって辺りだ だからエースがいなくなってもナンバーでいれる自信があるんだ そもそも安キャバに金持ちなんかこないし よっちゃんが毎日来て売り上げを貢献してくれるが、金の出どころはわからない 仕事も土方をやってると言っていたが、それだけで毎日お店に来れるとは思えない 他に仕事をしてるか、借金でもしているか… よっちゃんは無理をしている だからこのまま、エースが長く続くとは思えない ゆきさんに追い付くには、ハッタリのエースではなく、本物の金持ちを捕まえなきゃいけない 私はナンバー表を睨んだ ゆきの名前が憎たらしく映る 売り上げの赤いラインがこれでもか、と長く、長く上に伸びていた 待ってて どんな手を使ってでも、蹴落として、私がここの嬢王になってみせる 私にはいつの間にかそんな野心が生まれていた ゆきさんは孤高の王者だ お店で親しい友達はいないらしい いつも1人 するのは、お客さん相手だけ ビジネスに徹する女だ そこは共感を持てる 後はどーでもいいけど スレンダーな体と、類い稀な美貌と才能を兼ね備えた彼女は、私から見てもこのキャバクラという仕事が天職に思えた お客さんのリピート率 貢ぎ物率 支持率 は、ダントツナンバーワンだ まさにキャバ嬢になるべくしてなった女 私もそんな女に… いや それ以上の女になる 真新しいシルバーの高いヒールの靴 新しく塗ったホワイトと豹柄のハンドとフットネイル サテン地のベアトップのミニドレス お気に入りのシャネルのネックレスを着けたら、鏡には、やっぱり可愛い私 ゆきさんが美人で綺麗なら、私はベビーフェイスの可愛い系だ ファッションもそうだけど、私がゆきさんのように、かっこいい格好や綺麗な格好をしても、ギャップで痛々しく見える だったら、今持ってる可愛い武器を最大限に生かすコーディネートをした方が、抜群に男受けはいい お客は見た目しか見てないし、男にモテてなんぼの世界だからさ 本当はゆきさんみたいなかっこいい、出来る女に憧れるけどね… 麻衣の外見には似合わない 愛の時の私は、麻衣みたいな可愛いくて、守ってあげたくなるような女の子になりたかったけど… 人って無い物ねだりだよね きっとゆきさんだって、ピンクとかキュートでラブリーな女の子女の子した感じは全く似合わないと思う 真逆だし だから、私は今私の持っている武器で戦う 戦う相手は強いかもしれないけど、土俵は同じ 勝つか負けるかは、自分次第なんだよ 今の私は失敗して人のせいにするほど、弱くない 自信があるから
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