5.Repeat

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これらを踏まえ初老の医師は、 「お二方ありがとうございます。校正師さんはどうお考えですか」 と尋ねた。 「カンジャは再犯でしょう。やはり記憶操作だけでは不十分だったんですよ。 【創作罪】の犯罪因子というジェネティックな問題を持つ者は記憶をアジャストしただけでは再犯することなんて分かりきったことだったんですよ。 初めから薬物投与と条件付けを行うべきだったんだ」 と、校正師の男は気怠げに述べた。隣に座っていた校正助手の女は何度も首肯し、強い同意を示した。 「まあまあ、落ち着いてください。とりあえず、校正に際してのコンセンサスは得られたので、このカンジャに関するカンファレンスは終了とします。では、次のカンジャの治療計画についても会議しましょう」 と医師は話を収束させ会議を進行させた。
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