5.Repeat

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 結果、日本国は二度目の鎖国を選択した。元来食料自給率が極端に低く、第一次産業を外注していた日本はこれにより更に混乱を極めることとなった。スーパーに並ぶ食材は高騰化し、国民のエンゲル指数は急増し、益々困窮を極めた。国民年金の配当が停止した時は、多くの餓死者、軽犯罪者を生み出した。それらの完全な沈静化は今現在もできておらず、今の日本は衣食住が三種の神器と言っても過言ではない程に生活の質は悪化した。  全ての人々の能力は遺伝的素養によって決定されるという考えは、【ムニン】の登場によってより台頭するものとなった。政府は農業力の補填や、インフラ再建の人員を確保する目的もあり、この遺伝的素養を喧伝の材料とし、国民全てに職業を()()するようになった。  『全ての人に、ベストマッチした幸福と労働を推奨します』というスローガンの元、ほとんど全ての日本国民の職業選択の自由は奪われた。
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