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と説明した。隈川はそれに対し、
「でも、僕はレポートの書き方がわかりません。どうしたら良いのですか」
と質問した。医師は、
「心配入りませんよ。何もレポートといってもそこまで堅苦しいものでは御座いません。貴方は日記をつけて頂く感覚で臨んでいただければ十分です。端末を渡すのでこれからお願いします」
と言い、キーボード付きのタブレットを渡してきた。彼はそれを見て形容しがたい苦痛に近い感情を抱いた。
「先生、僕はこのタブレットを持つと罪悪感に近い苦しさを感じます。本当は文字を書くのが辛いです」
と隈川は思ったままに感情を吐露した。
「それは治療の過程で生じる副作用ですね。大丈夫です。貴方はあともう少しの辛抱で善良で健康な市民になることができます。レポートもその一環です。どうか頑張ってください」
と医師は優しい口調で隈川に諭した。隈川はそれに喪失していた父性に近いものを感受した。
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