しんけい

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頭の中に、ぐちゃぐちゃに絡まった何本もの糸がある。 30分おきに追加する薬。 回る景色。 子宮まで持ち上がりそうな吐き気。 記憶を断ち切りたいのに、眠りの底へ落ちていきたいのに、たった一本の線が首の後ろから眉間に向かってピンと張って、私の眠りの邪魔をする。 まだ切れないか。 まだ切れないのか。 薬は増える。 2錠、4錠、8錠…… 心も身体も何かでパンパンなのに、カラカラでヨロヨロで。 ああ、私は何もできないと。 ああ、私は何も成せないと。 膝から崩れ落ち、地面にほおずりをする。 タスケテクダサイ。 ダレカ、タスケテクダサイ。 声にならない叫びを声にならないうちに飲み込んで、不安が絶望に変わる前に考える。 何かを どうやって 何かを 何を考えよう。 不安と絶望の間に滑り込んでくる、全てを終わらせたい希望を掴む前に。 この手にある全ての薬を 貪りつくす前に
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