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『ミルは今日はどんな本を読んだの?』
『えっと、星座と神話の関係について…たとえば最近はこの星座が出てるでしょ?さそり座って言うんだよ』
『ああ、中に赤い星が一つあるやつ?』
『そう。ずっと狩人を追いかけてるんだよ。他にもお話が色々…ゼウスっていうかみさま関係が多いかな。この人?が一番エラいんだって』
するとサラが『いつものお祈りに出てくるかみさまってその人なの?』と尋ねた。
少年は疑問に思う。どうなんだろう。確かに世界を統べる所は似てるかもしれない。けれどゼウスは…なんというか自分勝手な気がする。全体を見て万事うまく行くように取り計らっている感じがしない。
考えたすえ彼は至極素朴な答えを返した。
『色々間違える普通の人間みたいだよ』
『私たちと一緒?』
『まさか。僕たちはへまなんてしないよ』
そう、ありえない。
ミルはちらりと水を飲んでいるサラを見た。
彼女はたまにふざけて自分たちのことを違う名で呼ぶけれど、そんなのありえない。「パン」の最後のひとかけらを飲み込んで考えるのをやめた。
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