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『もう寝よう』
『うん、歯を洗ってからね?』
・・・ミルにとっては嬉しくない念押しだった。あれあんまり美味しくない。いやな顔をするミルを見てちょっと諭すような顔をしたサラを見た彼は、先回りして言った。
『分かってる、この家はちゃんと意味があることしかさせない、でしょ?』
テーブルの上にある容器からカプセルを二つ取り出し、ひとつをサラに渡して、少量の水と一緒に口に含んだ。カプセルを噛んで割り、口中をすすぐ。
このりんごゼリーのような、まあ受け入れられるかなと思わせておいて、しかし青臭いような香り、そしてプチプチしていると思ったらどろどろになる食感がミルにはどうにもいただけない。口をブクブク言わせながら食べ物の袋を持って静かな庭に出た。掘っておいた穴に投げ入れ、重いシャベルで土をかぶせる。拍子に以前の袋が覗いた。もうぼろぼろになっている。
家に戻って、流しに口の中の液を吐き出した。
『まずかった』
『いい加減慣れないのかしら』
やっと義務を果たしたという表情のミルとサラは隣の寝室に駆けて行き、二人一緒に大きなベッドに体を投げ出す。本当はベッドは複数あったけど、子ども二人には一つで十分なのだ。
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