18人が本棚に入れています
本棚に追加
ここは私立中学の購買店——『Bamboo』。
能力者が集いし学校で、この空間とあたしだけが知っている、生徒たちの秘密や思惑が積み重なっていく。
「大人しくするべきはあんたのほうよ、笠音!」
廊下でびしぃと指を突き立てた実咲が、
「この学校に『無能力者』の居場所なんかないの。本当に転学する気がないのなら、せめてあたしとツバメの邪魔はしないでちょうだい!」
その言葉に、笠音は眉をひそめた。
邪魔なんかしているつもりはないと、その表情がすでに語っている。
「お前はともかく、なんで風切の話が出てくるんだ?」
笠音は不思議そうに、
「私はただ学級委員として、風切や他の生徒たちの問題行動を咎めているだけなのに……」
「うるっさい! 未来の『女王』に口答えするな! 『王子』の隣りの席は絶対に譲らないんだからあ!」
「風切と席が隣りなのは私だぞ?」
——席順オハナシではないと思うよ、笠音ちゃん?
あたしはあえて何もツッコまず、廊下で睨み合う姉妹にいつもの言葉を。
「毎度、ありがとうございました〜」
そして、購買の扉が閉ざされた今、あたしは心の中でのみエールを送りたい。
学校で出会った双子の姉妹、能力者と無能力者、切っても切り離せない永遠ライバルとなった二人に。
未来の『女王』の座、そして——
『王子』の隣りを賭けた姉妹喧嘩が、ここに開幕!
とか、外野で勝手に盛り上がってみたり。
To be Continued...?
最初のコメントを投稿しよう!