2人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっと……、どちら様ですか?」
それまで怯えるように五識さんの背に隠れていた七瀬さんが恐る恐る訊ねる。見れば一さん含めた他の全員も同じように首を傾げている。もちろん私もだ。
「ククク……。俺が本当の二舘だよ。俺がアイツを……、兄さんを殺した犯人さ!」
刺殺犯人さん、もとい本物の二舘さんは不敵な笑みを浮かべている。その顔は邪悪、というよりなんというか、その、殺されたお兄さんとあまり似ていないというか、あまりカッコよくないというか……。
「本当に兄弟なんですか? 殺された偽二舘さんとはまったく似ても似つかないフェイスですけど……」
「フェイスって言うなあああ!」
一さんは疑いの眼差しと心無い暴言を無遠慮に投げつけた。それを刺殺さん、もとい本物の二舘さんが全力で打ち返す。
最初のコメントを投稿しよう!