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おにぎりもサラダも全てを平らげると眠たくなってきた。早く礼二がお風呂から戻らないかと眠気をこらえているとリビングの扉が開き礼二が入って来た。すると頭にタオルを掛けたままでソファに腰を下ろしテレビを見始めた。
「礼二。私お風呂入ってくるから好きなチャンネルにして良いよ。」
私は礼二にリモコンを渡そうと近付きそう言った。
「…。」
「礼二?」
頭から垂れ下がるタオルで見えなかった顔を覗き込むと礼二の視線はテレビには向いておらず少し先の床を見ている様だった。
「あ…あぁ。悪ぃ。」
「いや、あの…リモコン渡そうと。はい。」
「うん…。」
「お風呂入ってくるね。」
「あぁ。」
私は部屋に寝巻きを取りに行く途中その気張った感じの一切無い礼二が面白く笑ってしまっていた。
柄にも無くボ~ッとしちゃって変な礼二。
重たい瞼を何とか広げて礼二に続いて私もお風呂に入りやっとベッドに潜り込んだ。最後スマホのチェックをしようとサイドテーブルに置いたスマホを手に取り画面を見るとお母さんからメッセージが入っていた。文章を読んでいくと海外の方の話が思い通りに進んでいるらしく上手くいけば5年前後位にはホテルが完成するとの内容だった。お母さんもお父さんもこんな大きな仕事して凄いななんて関心しながら他の通知もチェックしていると菜々子から会おうとメッセージが入っていた。菜々子とはあの呑み会以来会っていなかったし泰幸君との積もる話もしたかったのでこちらも会おうと返信した。すると家に来たいと言われ礼二の顔が頭を過ったけど私の部屋に入ってしまえば問題は無いかと思い了承し今度の休みに会う約束をしたのだった。
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