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「良いわね~。礼二さん。彼女居るのかな。」
菜々子は既に恋する乙女の顔になっていた。
「彼女居るかは分からないけどこの仕事って私は特殊だと思ってて彼氏にしたら会いたい時に会えなかったりして大変なのかも。たまに24時間勤務もあるし。実際今もそうなんだよね。両親海外行ってるからさ。」
オマケに性格に難ありだからお勧めしませんと声を大にして言いたい。
「という事は…えっ!?夜も一緒な訳?」
「そうだけど。」
「まだ未婚の男女が一つ屋根の下なんてっ。」
「無いからっ!そういう菜々子が想像してるあれやこれやは起きないから。」
「何で言い切れるのよ。あの礼二さんだよ?」
「だって私の心には泰幸君が居るもん。」
私が泰幸君の名前を口にした途端険しい顔つきになった菜々子。
「どうかした?菜々子。」
「えっ?あぁ…そっ、そうだ!デートはどうだったの?」
「それが色々あって早々に帰宅する事となりまして…。」
「な、何でっ?」
「私が体調管理出来て無くてパーク内で倒れました。ははは…。」
「そうだったの!?そんなハプニングが。」
「うん。」
「雅は体調大丈夫だったの?その後は。」
「帰って来てゆっくりしてたら落ち着いてきて回復した。泰幸君にもお詫びの連絡入れて謝ったんだけど怒ってなくて何時もの優しい泰幸君だったよ。」
「そう。なら良かった…あのさ雅。もしかして2人ってもう付き合ってたりする?」
「まだっ、まだまだそこまでは。」
顔の前で左右に手をブンブン振りながら答える。
「そうなのね。いやね、付き合う前に一応頭に入れておいてもらった方が雅の為かなと思うから言うんだけど…。」
すると菜々子は重たい口を開き私にこんな話しをし始めた。
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