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煙草を1本吸い終えた所でスタスタと礼二は何処かへ行ってしまった。私はチラリとスマホに目をやると休憩時間が残り15分となっている事に焦り慌ててサンドイッチを口に運び飲み物で流し込んだ。メイクも直して歯も磨かなければ。接客は色々と自分の身だしなみにも気を配る。スマホをジャケットのポケットにしまおうとした時手の中で振動し再び画面を見ると泰幸君からのメッセージが入っていた。
来月の15日祝日に決まったんだけど高嶺参加出来るかな?─────
来月のシフトまだ出してないし休みで希望出してみよう。休んで絶対行きたい。泰幸君…格好良くなってるんだろうなぁ。
休憩から戻るとホールもキッチンも落ち着いており堺さんと端で暫しおしゃべり。
「今日は混んだわね。フカヒレラーメン完売みたいよ。」
「凄い!私ここで働き出してから一度も食べて無いんですよね。」
「そうなの?一人でも食べに来れば良いじゃない。あっ、彼氏と食べにおいでよ。」
「か、彼氏まだ居ませんよ。今はまだ居ませんの間違えでした。」
「あら?という事は良い感じになりそうな男の子でも居るの?」
「実は今度高校の同級生達と合う予定があって。その中にちょっと気になる人が。なんか堺さんの前で恥ずかしい。」
「良いじゃない!そっか~。高校の同級生ね。懐かしいわね。」
「久しぶりに会うのでまだどうなるか分かりませんけどね。でも来月の15日なんで休み取れるかもあやしくて。」
「なら私がその日出るから行ってきて良いよ。」
「祝日ですよ?お子さん大丈夫なんですか?」
「実家に預けるから平気。可能であれば再来月の祝日と交代しよう。」
「はい。分かりました。ありがとう御座います。」
「楽しんで来てね。良い報告待ってるわ。」
「そうなれば良いんですけどね。」
「所でその男の子はどんな感じの子なの?」
「爽やかな優しい男の子です。」
「優しいってのは大前提よね付き合う上で。」
「そう思います?」
「当たり前よ。」
「ですよね。(優しさの欠片も無い様な男が近くに一人うろついてますが。)」
「私の元旦那にもそれがもっとあればねぇ。なんて今更言ってもか。はは。ま、応援してるよ~。」
「嬉しいです。行ってきます。」
そんなこんなで15日の休みを堺さんに代わってもらえて私は行ける事になったのだった。
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