教授とカノジョと時計

1/9
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
時計の短針が降下を始めた頃、私は筆を置いた。 この紙切れを彼女が読んだらどんな表情を魅せるのだろう。 丁度1年前に手渡したセーターを見た時のような笑顔か。 それとも最後にくれた手紙の如くシミだらけにさせてしまうかな? もう遅い。答えの出ない問いに時間を割くのはやめにしよう そう結論付けた私は、丁寧に封をして引き出しの奥に追いやった。 ​───────ふと外を見た時 答えが出たように思えた。 出来ることなら今すぐにでも答え合わせがしたい。 君が降らせたこの白い景色を飛んで
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!