教授とカノジョと時計

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「教授ーまーだ引きずってるんですかー?」 「なんの話」 「わかってるくせにぃ」 彼女の問いに返す言葉がなくなった私は、文献に目を落とした。 「 ──ま。なんでもいいですけどね そろそろ周りに目を向けてもバチ当たんないと思いますよ」 「わかってる」 「ほんとうですか?私にはそう思えません」 「わかってるよ」 「じゃあ」 「じゃあ何故気づいていただけないんですか?」 絶句だった 「失礼します」 音がやけに大きく聞こえる 時計の針は 頭を垂れるような場所にいた
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