1人が本棚に入れています
本棚に追加
「休日にすまない。もちろんここは私持ちだ」
晴天の日曜日、私は彼女を喫茶店に呼び出していた
「いえ、私もお伝えすることがあったので」
「そうか」
その先をなかなか切り出せない私に気を遣ったのだろう。彼女は再び口を開いた
「教授、あの日は感情的になってしまいすみませんでした。
教授の気持ちも考えずぶつけたりして」
「いや、悪いのは私だ。視野が狭くなっていたことにすら気づいていなかった。アノコを亡くして、上の空だったことにもね」
「私、なんとなくわかってるんです。きっと教授はこの先もアノヒトを忘れないんだろうなって」
「うん。きっともう────アノコ以上に人を好きになる事はないと思う。…すまない」
「いいんですよぉ
教授の頭から一瞬アノヒトが消えた。
私を意識させられた。
私はそれで満足です。」
「──私はこれ以上なにかを言える立場にない。もちろん要求する立場にも… 」
「じゃあ私のお願い聞いてくれますー?」
「……できる範囲なら」
「これからも私を側に置いてください
もちろん助手として」
「それは…私はありがたいが… いいのか?」
「はい 今更離れたくないですもん」
「─そうか。ではこれからもよろしく頼む」
「はい! あ それともう一つ」
「なんだい?」
「自分を責めるのやめてください」
「え?」
最初のコメントを投稿しよう!