ミイ🐱の作戦

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ミイ🐱の作戦

史哉さん、たまに美衣のケータイを充電してくれてる。 実はあたし、史哉さんが留守やお風呂のとき、充電されてるケータイをチェックしてるの。 ロック解除とメールチェックはミイの手でもできるように、いっぱい練習した! それで、店長が数日カフェに戻ることを知って。 ミイになっちゃった場所に行けば美衣に戻れる手掛かりがあるかもと、史哉さんをカフェに連れてく方法を考えてるとこ。 そしたら 「…うまいカフェラテ、そろそろ飲みてーな、な?ミイ」 って、あたしを抱っこしながらつぶやいた。 史哉さん、ナイスタイミング! あたしは思いっきり、カフェ連れてって!って思い込めて、みゃ~、って鳴く。 「あのカフェどうなってっかな、行ってみるか」 やったぁ、ミイ語伝わった! 史哉さんの自転車の前カゴに乗せられて、カフェにだんだん近づいてく。 けど緊張する、いきなり美衣に戻ったらどうしよう…って思ってるうちに到着。 「あ、中に誰かいる、ちょ、見てみるか」 前カゴから覗くと店長が見えた。 あたしたちに気づいた店長がカフェから出てきて 「お久しぶりです、すみません、急に休んじゃって」 史哉さんに事情説明してる。 「そろそろ再開しますから、またいらしてくださいね、お待ちしてます」 「大変だったんっすね…でも落ち着かれてよかった。ここ好きなんでまた来ます、ちょうど、うまいカフェラテ飲みたいな、って思ってたとこで」 「ありがとうございます!…お時間あったら淹れましょうか」 「え!いいんスか、うれしいっす」 思いがけずカフェに入れることに! 美衣に戻れるヒント、見つかりますように。 史哉さんがあたしを抱っこしてカフェに入ると、やっと店長があたしに気づいて、あれ?うちの子によく似てますね、って。 「閉店した日かな、店の前にいたんすよ。雨降ってきて寒そうで、絵のネコに似てるな~と思って…今、一緒にいるんです、な、ミイ」 「みゃあ~」 史哉さんがゆっくりカフェラテ飲んでる間、あたしは史哉さんから下りて店内を歩いてみる。 何かないかな、って必死に目をこらして探したけど…結局何も見つけられないうちに、史哉さんとカフェを出た。 あの日と同じシチュエーションじゃないとダメなのかな、そんな都合よくいかないよね、って悲しくなる。 憧れの史哉さんと毎日一緒で幸せだけど、このままミイでいるより、そろそろ美衣に戻りたいよ。 自転車の前カゴで風に吹かれながら、ポロっと涙こぼれた。
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