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史哉さんありがとう🐱
史哉さん、すごいの!
作った曲がCMソングに選ばれて、史哉さんビジュいいからってCM出演もして、史哉さん人気うなぎ登り!
今まではどんなに忙しくても夜遅くには帰ってきて、こんな時間にごめんよって言いながらシャワーで洗ってくれて、ご飯食べながら1日のできごとを聞いて、っていう毎日だったのがね…忙しすぎて帰れない日もあって、朝方やっと帰ってきたと思ったら
「ミイ~疲れた…」
って、ベッド直行バタンキュー。
ちっとも遊べないし、話聞くどころか抱っこすらされなくなった。
あたしのキレイな白い毛はだんだんボサボサになって、ひとりぼっちで過ごす時間が増えて。
それより史哉さんが心配。痩せた気がするし、口数少ない。
だけど史哉さん、せっかく掴んだチャンスだからって頑張ってる。
もちろん応援してるけど…寂しい。
さっきも、ミイとゆっくりしてぇのにな、ごめんよミイ、ってくたびれた様子で出かけた。
玄関で見送って、史哉さん大丈夫かな、癒してあげたいな、と思いながらベッドに戻ると、脱ぎっぱなしのスウェットが。
思わずダイブして、史哉さんの匂いにくるまれたら…ふわ、ってしてくる。
雨の音に気づいて、史哉さん傘持ってるかな、って思いながら眠っちゃってた。
「んんっ…」
…ん?あたし今、声出てた?それとも夢?
史哉さんのスウェットにくるまれて寝てたはずだけど…史哉さんの匂い、あんまりしない。
耳を澄ますと、まだ雨の音。
何時だろ、って目を開けようとしたけど…確認するのが怖くて、一度ぎゅっと目をつぶる。
数回深呼吸して、そーっと手足動かしてみた。
もしかして、っていうのが確信に変わって、目を開けたら…あたしの部屋。
「…あー」
声出してみたら、ミイじゃない、美衣の声。
ほんとに美衣に戻れたのかと、ベッドから下りて、おそるおそる鏡を見る。
…ヒトに戻ってる、しっぽもない!
美衣に戻った~!!やったぁ!
「ふー…よかった」
ほっとしたのと同時に、史哉さんにもう会えない寂しさで、涙があふれてくる。
史哉さんとの毎日、楽しくて幸せだったな、史哉さんありがとう、って思いながら、泣き疲れて寝ちゃってた。
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