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史哉さんと美衣♡
再開したカフェ Chat mignon でバイトしながら声優を目指してるあたし。
ここにいれば史哉さんに会えるかも、っていう願いはなかなか叶わない。
すっかり人気者の史哉さん、ネットでは常にトレンド入り、忙しくてお店に来る暇なんてないよね。
「…会いたいな」
ぽそっとつぶやいてネコのオブジェを拭いてたら
「ミイ?」
懐かしい、聞き覚えのある声にドキっとして振り向くと
「あ、ごめん、ちょっと似てて」
やっぱり、大好きな史哉さん!
やっと会えた、はやる気持ちを抑えて
「いらっしゃいませ、ご注文は甘めのカフェラテでよろしいですか?」
お水をテーブルに置くの、緊張してる。
「さっきごめんね、俺のミイに似てて」
「ミイって…」
「後姿が…って、変か、ごめんね」
「ネコですか?」
「そ、めっちゃ美人でさ、すげぇ可愛がってたのに…忙しくてあんま一緒にいられなくて、気づいたらいなくなってて…」
史哉さん、すごく寂しそう。
ミイとの写真を見せてくれて
「ミイロスなの、はーっ、もう帰ってこねぇのかな」
「あの…あたしでよかったら、話聞きます」
思わず言っちゃってた。
それから。
史哉さんと時間合わせて、ご飯行ったり散歩したり、ミイの話もよくされて、つい、そうそうって言いそうになって慌てる。
ミイがあたしなのは、内緒。
「美衣ちゃんといると、なんかミイといるみたいなんだよな、癒されるわ」
うん、だってミイはあたしだもん。
「ミイの代わりってわけじゃねぇから、ちゃんと美衣ちゃん大事に思ってるよ」
照れてる史哉さん。
「史哉さん、ありがとう」
やっと、ちゃんとお礼言えた。
「みゃ~」
声優デビューはネコの役、すっかりお手の物。
「美衣、うまいじゃん」
「でしょ?」
今はね…美衣として、史哉さんの匂いにくるまれてる。
毎日、とっても幸せ。
ミイのおかげかな。ミイ、ありがと🐱
って思ったら、みゃあ、ってどこからか、ミイの声が聞こえた気がした。
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